この記事に書いてあること
記事【入門】ロボコンジャパン キット作成上のポイント・注意点(その1)で、
「細かいポイントは続きで…」とか言って、9ヶ月過ぎてしまいました(汗
2019年の予選も無事トップ通過したというところで続きです。
今回は、
- スムーズに回転するために
- 転ばないために
- ギヤがガリガリ言わないように
上記の3つについて制作上のポイントを説明していきます。
スムーズに回転するために
車が思い通りに動くようにするためにポイントがあります。
会場で車の動きを見ていると、スムーズに回転できる車と妙にギクシャクした動きをしている車があります。
キャタピラの接地面積(接している長さ)を減らす
わかりづらいかもしれませんが、真ん中のローラーだけ少し低い位置についてます。こうすることで、キャタピラが全て地面に接地しない状態になります。
なぜこんなことをしているかというと、接地面積が大きくなると摩擦抵抗が大きくなるせいか、スムーズに回転できなくなります。
真ん中のローラーを下げることで、キャタピラの「青部分」と「赤部分」が同時に接地することが無くなります。
結果、キャタピラと路面との摩擦が小さくなりスムーズに回転できるようになります。
ローラーを一直線に配置・調整
あと、ローラーは一直線上に並ぶように調整してください。
特に、ギヤボックスから出ている駆動用のローラーはネジ止めで自由に調整できるので、全て組み上げた後に微調整が必要です。
また、取り付け方によっては簡単に斜めになってしまいますので、そちらも注意が必要です。
ローラーを一直線上に取り付けることは、キャタピラが外れることの防止にもなります。
余談ですが、ギヤとシャフトを固定するイモネジ(6角のネジ)は、かんたんに緩みます。
何回か走らせて 閉める→緩む→閉める→緩む を繰り返すとイモネジの頭が潰れて緩みにくくなります。いままで緩んでいない人も競技の前に締め直すことをお勧めします。
転ばないために
車がひっくり返って「リトライ」している人が目立ちます。
対策として
- 転ばないように設計する
- 転んでもいいように設計する
のどちらかが考えられます。
転ばないように設計する
僕の車は「転ばない」を目指した設計になります。
前に転ばないように
ボールを持ち上げた重さで前方にひっくり返りやすくなります。
僕の車が前にひっくり返りにくいのは、バケットを持ち上げる回転軸を後ろに下げているためです。
これが前にあると持ち上げた時の重心が前方に残るので、かんたんに前方にひっくり返ります。
ただ、重心だけでなんとかしようとするには限界があるので、ほとんどの人は、後方に重り(ウェイト)を積んでバランスを取っています。
昨年(2018年)の決勝では、ガチャ玉にスーパーボールが重りとして入っていたため、僕もかなりウェイトを載せて、ギリギリひっくり返らずに持ち上がるようにしました。
今年(2019年)の予選ではウェイトなしで出場しています。できるだけ軽い方が動きは良いです。
後ろに転ばないように
対策としては、後ろにキャタピラを伸ばすか、転ばないようにカードをつけるかになります。
僕は後ろにガードをつけていますが、この点はどちらが良いか迷っています。
安定性としては、後ろにキャタピラを伸ばした方が良いと思いますが、デメリットとして
- キャタピラが長くなることで、外れるリスクが大きくなる
- キャタピラと地面との設置面積が大きくなるため、スムーズに回転できなくなる
があります。
今年の決勝では、後ろにキャタピラを伸ばすかもしれません。
転んでも良い設計にする
バケットを完全に持ち上げるタイプだと、上記のように転ばないようにしないといけないのですが、「バケットは少し持ち上げるだけ」のタイプであれば話は変わってきます。
この場合、後ろに転ぶ心配はないので、前にパタンと倒れるパターンだけを考えます。
対策としては、後ろに重りを積んで倒れないようにするのが一番シンプルかと思います。
完全に持ち上げないタイプのデメリットは、前後の長さのため小回りがきかないことです。
また、そもそも前方に倒れてもキャタピラが地面から離れなければ、そのまま動かすことも可能です。
ギヤがガリガリ言わないように
ギヤがガリガリ音をたてて、動かなくなっている人もけっこういます。
原因は、ピニオンギヤ(モーターについているギヤ)と次のギヤの部分が滑っていることがほとんどだと思います。
正直、「ギヤボックスの設計があまり良くないかな」とは思いますが…
僕の対策としては、すごく単純で、モーターに両面テープをつけて固定し、ギヤ同士が離れないようにしています。
ちょっと頼りない感じがするかもしれませんが、去年も予選から決勝まで問題なく動いてくれました。
僕の場合は、紙テープを三重に重ねて固定しています。
テープが薄いとギヤ同士が近づき過ぎて、バックラッシュ(ギヤとギヤの隙間)が取れなかったので、厚みを持たせて調整しています。
ギヤとギヤの隙間がないと、滑る心配は無くなりますが、抵抗が大きくなり動きが悪くなります。
まとめ
3つのポイント
- スムーズに回転する車を目指そう
- 転ばない設計にする
- モーターを固定してギヤが滑らないようにしよう
細かいポイントはまだまだあるのですが…